「目頭切開 名医」で検索してこのページに来た方が多いと思います。

先に立場をはっきりさせておきます。私は自分を名医だとは言いません。この記事では、読者が自分の目で医師を判断できる基準だけをお渡しします。私が年間700件以上の目頭切開を行う中で、実際に症例写真のどこを見て、何を聞けば分かると考えているか——診察で聞かれたらお話ししている内容そのままです。

最後まで読めば、症例写真を10枚見れば、その医師に任せていいかどうかが自分で判断できるようになります。

その前に:目頭切開の目的を間違えないでください

医師選びの話に入る前に、ここを外すとすべてが狂います。

目頭切開を受ける方の目的は何でしょうか。目を近づけること? 蒙古ヒダをなくすこと? 目元が可愛くなること?

どれも違います。全顔で見て可愛くなることです。

目頭だけを見れば理想どおりでも、顔全体で見たときに不自然なら、その手術は成功していません。この前提を共有できていない医師とは、そもそも同じゴールを目指せません。

そして、この前提は医師選びに直結します。次の章の1つ目がそれです。

症例写真の見方——7つのチェックポイント

1. その医師の「自信作」を見ている、と意識する

ホームページやインスタグラムに載っている症例は、その医師が「これはうまくいった、完璧な症例だ」と思って選んだものです。

自信作ですら綺麗でないなら、上手いわけがありません。

これは目頭切開に限らず、美容外科全般に言えることです。「まあまあかな」と思う症例しか出ていないなら、実際の平均はそれ以下だと考えてください。

2. 全顔の症例を載せているか

目的が「全顔で見て可愛くなること」である以上、目元だけをアップで切り取った写真では判断できません。

全顔の症例を載せている医師を選んでください。目元しか出さない医師は、目元だけで完結する仕上がりしか設計していないか、全顔で見せられない理由があるかのどちらかです。

3. 切開の方向が、涙丘の角度と一致しているか

ここが、私が症例写真を見るときに最初に見る場所です。

涙丘(目頭の内側にあるピンク色の粘膜)は、人によって向いている角度が違います。目頭切開は、この涙丘の角度に沿った方向に開かなければ意味がありません。

方向が合っていないとどうなるか。目頭切開をしたのに、蒙古ヒダが残っているように見えます。切ったのに変わっていない、という結果です。

「涙丘の角度」という言葉は、あまり耳にしないと思います。私は目頭切開でもっとも重視している点のひとつですが、症例写真を見ていると、ここが揃っていないものは珍しくありません。

読者の方は、術後の写真を見て「目頭が開いたのに、まだヒダが被っているように見えないか」を確認してください。それが一致していないサインです。

4. 片目だけの症例しか出していないか

片目だけの症例しか上げていない医師は避けてください。

目頭切開は左右のバランスがすべてです。片目だけしか見せないのは、両目を並べたときに見せられない何かがあるということです。

5. リドレープ法など、難易度の高い術式も行っているか

目頭切開にはいくつか術式があります(詳しくは目頭切開の記事に書きました)。

Z法しか載っていない医師と、リドレープ法も行っている医師とでは、選択肢の幅が違います。次の章で説明しますが、この2つは「傷跡が違う」だけの話ではありません。設計できる範囲そのものが違います。

6. 修正症例を扱っているか

他院で受けた目頭切開の修正、目頭切開後の凹み修正——修正までできる医師は、自分の手術がどう崩れるかを知っています。

修正症例が出ているかどうかは、その医師がどこまで責任を持てるかの目安になります。

7. Z切開の傷跡を「残らない」と説明していないか

誤解のないように書いておきます。Z切開で傷跡が残るのは、術者の腕の問題ではありません。術式そのものの性質です。だから、症例写真に傷跡が写っていること自体は、その医師が下手だという意味ではありません。

問題なのは説明のほうです。「私のZ切開なら傷跡は残りません」と言い切る医師がいたら、まず嘘だと思ってください。残るものを残らないと言う医師は、傷跡を軽く見ています。そして実際に、そういう説明を受けて手術を受けた方の凹み修正を、私は多く扱っています。

8. 三日月法を勧めていないか

これははっきり書きます。三日月法を勧める医師は避けてください。

三日月法は古い術式です。傷跡が残り、ダウンタイムが長く、そのうえ後戻りします。いま行われている目頭切開の中では、私は最も勧められない方法だと考えています。

料金表に三日月法が載っている時点で、私なら避けます。これはカウンセリングに行く前に、ホームページを見るだけで確認できます。

(注意)加工されている症例写真もあります

残念ですが、症例写真が加工されていることは実際にあります。

見分けは簡単ではありませんが、複数の症例で肌の質感が不自然に均一だったり、同じ患者の別カットで印象が違いすぎる場合は、慎重に見てください。全顔・両目・複数角度が揃っている症例のほうが、加工の余地は小さくなります。

Z法とリドレープ法——「傷跡の違い」ではありません

医師選びに直結するので、術式の話をします。ここを理解すると、症例写真の見え方が変わります。

Z切開の本質的な欠点は、寄せる量を選べないこと

Z法の最大の欠点は、目を寄せる量を自分で決められないことです。

Z法では、蒙古ヒダのいちばん下の点から目の内眼角までの距離の分だけ、必ず寄ります。術者が「もう少し控えめに」と思っても、その距離が決まってしまっています。

つまり、その距離と、その方が寄せたい距離がたまたま一致した場合に限り、Z切開はとても有効です。(それでも傷跡はしっかり残ります。)

裏を返せば、一致しなければ「寄りすぎ」か「足りない」のどちらかになります。

リドレープ法は、寄せたい距離を選べる

リドレープ法では、寄せたい距離を自分で選ぶことができます。私が基本にしているのはこちらです。

「リドレープ法は丸くなる」「変化が少ない」と言われることがあります。私の経験では、これは術式そのものの限界ではなく、靭帯や筋肉の扱いで結果が大きく変わる部分です。扱いに慣れていなければ変化が出ませんし、慣れていれば必要なだけ寄せられます。

だから「何件やったか」を聞く意味があります

「リドレープ法は何件やりましたか」と聞いてみてください。

件数が少ない医師は、Z切開とリドレープ法を比較した経験がありません。その状態でリドレープ法を否定しているとすれば、自分ができない術式を批判しているだけ、ということもあり得ます。

「何mm切りますか」は、実は的外れです

もうひとつ、多くの方が誤解している点です。

切る長さ=寄る距離ではありません。

私が行うリドレープ法では、切開する長さは10mmほどですが、実際に寄せる幅は0.5〜2.0mm程度の範囲で変動させることができます。「10mmも切るんですか」と驚かれることがありますが、10mm切ったから10mm寄るわけではありません。

そして、「何mm」という数字自体、あくまで目安に過ぎません。同じ1mmでも、蒙古ヒダの強さ、涙丘の角度、目の横幅、二重の形によって、見え方はまったく違います。

聞くなら「何mm切りますか」ではなく、「どのくらい寄りますか」「その量はどうやって決めていますか」です。答え方で、その医師が量をコントロールできているかが分かります。

カウンセリングで聞くべき3つの質問

ここまでを、そのまま質問の形にします。

質問 何が分かるか
「リドレープ法は何件やりましたか」 術式の選択肢を持っているか。Z法との比較ができているか
「どのくらい寄りますか。その量はどう決めていますか」 寄せる量を設計できているか。切開長と混同していないか
「私の涙丘の角度だと、どの方向に開きますか」 方向を意識して手術しているか

3つ目は少し専門的ですが、聞かれて答えられない医師に、目頭は任せないでください。

カウンセリングの質は、どこで判断するか

「カウンセリングが丁寧なところを選びましょう」とよく言われますが、丁寧かどうかは印象の話で、判断しづらいと思います。私が基準にするなら、ここです。

提案された施術に、理由づけがされているか。

「あなたにはこの術式が向いています」と言われたときに、なぜそれなのかを説明できるかということです。蒙古ヒダの状態がこうだから、涙丘の角度がこうだから、だからこの術式でこの方向に開く——そこまで言えるなら、その医師はあなたの目を見て考えています。

理由がなく「これで大丈夫ですよ」しか返ってこないなら、あなたの目に合わせた提案ではない可能性があります。

保証やアフターケアは、基準になるか

保証やアフターケアで選びたくなる気持ちは分かります。ただ、正直に書きます。

アフターケアは、その医師の性格によるところが大きいです。制度として書いてあるかどうかより、何かあったときにその医師がきちんと向き合うかどうかで決まります。そして、それは制度表からは読み取れません。

結局、カウンセリングでそこを見抜けるかどうかです。都合の悪い話(リスク・限界・できないこと)をその場で説明するかどうかは、ひとつの手がかりになります。

こう言われたら注意してください

「Z切開の傷は馴染みますよ」

これを言う医師は、本当に危険だと私は思っています。

SNSなどで大々的に「目頭切開の傷は馴染みます」と発信している医師は、傷跡に対する自覚がありません。そして、そういう医師の手術後に、凹み修正が必要になるケースが多いのが現実です。

傷は「馴染むこともある」ものであって、「必ず馴染む」ものではありません。断定する説明は疑ってください。

術式の名前が出てこない

「うちの目頭切開です」としか説明されない場合、どの術式なのか、なぜそれを選んだのかが分かりません。扱っている術式がZ法だけ、というところもあります。「どの術式を扱っていますか」「私にはどれを使いますか。それはなぜですか」と聞いてください。

あてにならない情報

ランキングサイト

ランキングサイトは、まったく当てになりません。

掲載順が広告費で決まるものが少なくないからです。順位は技術の順位ではありません。「〇〇部門1位」「〇〇賞受賞」も同様に考えてください。

SNSの口コミ

Xなどの口コミも、あまり当てにはなりません。

私自身、まったく身に覚えのないことを書かれた経験があります。書き込みは誰でもできます。

ただし、よほど問題のある医師の場合は、同じ内容の口コミが複数回流れてきます。単発の悪評は判断材料になりませんが、繰り返し同じ話が出てくる場合は、その情報には意味があります。

美容アプリの口コミ

美容アプリの口コミは、書かせているクリニックもあります。そのまま判断材料にするのは危険です。

ただし、指標にはなります。ゼロにする必要はありません。件数が極端に多いのに内容が似通っているものは差し引いて読む、というくらいの距離感で見てください。

「大手だから安心」

目頭切開は、大手だから安心、という考え方で受ける施術ではありません。

大切なのはクリニックの規模ではなく、執刀する医師が目頭切開をどれだけ手がけていて、どの術式を扱えるかです。カウンセリングで、担当する医師本人にそれを聞いてください。

症例数について、私の考え

私は、症例数は正義だと思っています。数が少ないのに上手い、ということはあり得ません。

ただし、見るべきなのは「目頭切開の症例数」です。「美容外科医としての総症例数」や「目元整形の症例数」ではありません。

目頭切開だけを数多く手がけている医師は、そう多くありません。目元整形を掲げていても、目頭切開そのものの件数はそこまで多くない、ということが珍しくないからです。だから「目頭切開は何件ですか」「リドレープ法は何件ですか」と分けて聞く意味があります。

参考までに、私は目頭切開を年間700件以上行っています(2026年8月時点)。

「37mm」「1:1:1」——数字の基準は、どこまで当てになるか

医師を選ぶ前に、自分が目頭切開の適応かどうかを数字で判断しようとする方が多いので、ここで書いておきます。

「目と目の間が37mm以上なら離れ目」と言われています。目安としては間違っていません。ただし、目安に過ぎません。結局は、その方の顔の大きさや、目のまわりの余白との兼ね合いで決まります。

そして、「目:目と目の間:目=1:1:1が黄金比」という説がありますが、これは絶対に間違いです。

理由は単純です。普通のサイズの目は、横幅26mmほどあります。1:1:1なら、目と目の間も26mmということになります。目と目の間が26mmの方は、求心顔すぎて話になりません。誰が広めたのか分かりませんが、この数字を真に受けないでください。

数字だけで決まるなら、診察は要りません。実際に見ているのは蒙古ヒダの強さ、涙丘の角度、顔全体の余白です。

1軒目で決めていいのか

「複数のクリニックを回りましょう」とよく言われます。私の考えを書きます。

1軒目がZ切開しかやっていないなら、2軒以上回ったほうがいいです。その医師の選択肢に、そもそもリドレープ法が入っていない可能性があるからです。

選択肢を持っていない医師のところでは、あなたに何が合うかではなく、その医師にできることの中から選ばれます。それが自分に合っているかどうかは、比べてみないと分かりません。

いちばん多い失敗のパターン

最後に、実際にご相談でよく聞くパターンをひとつ挙げます。

「二重埋没法で有名な先生のところで、目頭切開も勧められた。目頭切開の症例も載っていたから、上手なのだと思って任せた」

これが、特に危険です。

埋没法をメインに載せている医師のページで、目頭切開の症例が数点だけ載っている——このとき、その数点はその医師の全症例の中でも特別にうまくいったものです。件数の裏づけがありません。加工されていることも少なくありません。

目頭切開を任せる相手は、目頭切開の症例で判断してください。得意な施術と、勧められた施術は別物です。

ダウンタイムが気になる方へ

休みが何日必要かで迷っている場合は、目頭切開のダウンタイムは何日?をご覧ください。術式によって1週間と1か月ほどの差が出ます。

すでに受けてしまった方へ

この記事は医師選びの話ですが、すでに手術を受けて傷跡や凹みが気になっている場合は、目頭切開の凹み・傷跡は治るのかをご覧ください。白色瘢痕・ひきつれ・へこみの3タイプに分けて、それぞれの直し方を書いています。

費用の目安

金額の水準も出しておきます。私のところの料金です(税込)。

メニュー 通常価格 モニター価格
目頭切開 リドレープ法 385,000円 231,000円
目頭切開 Z法 275,000円 165,000円
蒙古ヒダ形成(切りすぎた目頭を戻す) 330,000円 198,000円
目頭切開傷跡修正(凹み修正) 330,000円 198,000円

麻酔代は別途かかります(笑気麻酔 22,000円/静脈麻酔 55,000円・税込)。他院で受けた手術の修正では、状態に応じて0円〜198,000円の修正料金が上乗せされます。

安さだけで選ばないでください。ただし、高ければ上手いということでもありません。その金額の理由を説明できるかどうかを見てください。

費用の考え方(相場はZ法の相場であること、値段の差=技術の差)は、目頭切開の費用はいくら?に書いています。

まとめ:結局どう選ぶか

目頭切開は、やり直しが簡単な手術ではありません。傷跡が残る場所であり、寄せすぎた目頭を戻すには蒙古ヒダ形成という別の手術が必要になります。

だからこそ、最初に任せる相手を、自分の目で確かめてください。この記事のチェックポイントは、そのために書きました。

よくある質問

Q. 症例写真は何枚くらい見ればいいですか

10枚も見れば傾向が分かります。全顔・両目が揃っているものだけを数えてください。目元だけのアップは、判断材料から外して構いません。

Q. 「涙丘の角度」は自分でも分かりますか

正確な角度は診察でないと分かりませんが、術後写真を見て「目頭が開いたのに、まだヒダが被って見えないか」は、素人の方でも判断できます。そこが不自然な症例が並んでいるなら、方向の設計を疑ってください。

Q. Z切開は受けてはいけないのですか

そうではありません。寄せる量を自分で決められないのがZ法の欠点なので、その人が寄せたい量とたまたま一致する場合には、とても有効です。ただし傷跡はしっかり残ります。そのうえで選ぶかどうかです。

Q. 「何mm切りますか」と聞けばいいですか

切る長さと寄る距離は別物です。「どのくらい寄りますか」「その量はどうやって決めますか」と聞いてください。

Q. 口コミサイトの点数は参考になりますか

単発の書き込みは参考になりません。私自身、身に覚えのない内容を書かれたことがあります。同じ内容の指摘が繰り返し出てくる場合だけ、意味があります。

Q. 大手クリニックなら安心ではないですか

規模と、担当医の目頭切開の経験は別です。執刀医が誰で、その医師が何件やっていて、どの術式を扱えるかを確認してください。

Q. 修正はできますか

他院で受けた目頭切開の修正も行っています。寄せすぎ・傷跡・凹みなど、状態によって方法が変わるため、まず診察で評価します。