「目頭切開 平行二重」で検索された方は、「目頭切開をすれば平行二重になれるのか」「蒙古ヒダがあるから平行二重は無理だと言われた」「埋没と目頭切開はどちらを先にすべきか」のどれかで迷っている方だと思います。
先に結論を書きます。目頭切開だけで平行二重になる人はいません。目頭切開は、平行二重をつくるうえでの「助け」です。平行二重になるかどうかは、二重の手術とセットで考えたうえで、その方の元の目元で決まります。
そしてもう一つ。「平行二重にできるか」と「その平行二重が美しいか」は、全く別の問題です。私の実感では、平行二重が似合う方は2割、MIX二重までが綺麗な方が6割、平行にしないほうが美しい方が2割です。この記事では、何で決まるのか、自分でどこまで見当をつけられるか、平行二重が似合わない顔、無理に平行にするとどうなるか、埋没との順番までを書きます。
私はリドレープ法を中心に、年間700件以上の目頭切開を行っています。
先に結論:目頭切開だけでは平行二重になりません
末広二重・平行二重・MIX二重の違いは、二重埋没法の記事に書いたとおりです。末広型は目頭側で二重の幅が狭く、目尻に向かって広がる形。平行型は目頭から目尻まで幅がほぼ一定の形。MIX型はその中間です。
目頭切開は、目頭の蒙古ヒダを処理する手術であって、二重のラインをつくる手術ではありません。だから目頭切開だけで平行二重になる方はいません。平行二重の話は、埋没法などで二重のラインをつくる(またはつくり直す)こととセットになって、はじめて成り立ちます。
では目頭切開は平行二重と無関係かというと、そうではありません。「多少の助け」にはなります。その仕組みは、あとで書きます。
平行二重になるかを決める4つの要素
平行二重にできるかどうかには、次の4つが関係します。
- 目頭側の、二重まわりの皮膚の余り方
- 蒙古ヒダの強さ
- まぶたの厚み
- 出目か奥目か(骨格)
4つともどれも大きいのですが、一番大事なのは蒙古ヒダの強さです。蒙古ヒダが強く張っていると、二重のラインが目頭側で引き込まれて、平行のラインが目頭まで届きません。
蒙古ヒダの強さは、よく「グレード1〜3」のような段階で説明されますが、その言い方は正確ではないと私は思っています。蒙古ヒダにはもともとタイプがあって、突っ張り方が人によって全く違うからです。この話は、別の機会に図を使って解説したいと思っています。
皮膚の余り方も見落とされがちです。目頭側の皮膚の余りが少なすぎると、二重のラインが食い込むスペースがなくて、末広になってしまいます。だから設計では、目頭側に少し皮膚の余剰を持たせるのがポイントです。
まぶたの厚みも同じです。まぶたに厚みがある方は、普通は末広二重になります。人は無意識のうちに「その目があり得るかどうか」を見ています。だから、厚みがある方に無理やり平行二重をつくると、違和感がとても強くなります。
骨格については、出目の方は骨格的に平行二重になりやすいです。奥目の方でも、鼻が高ければ平行二重になりやすいです。鼻と目頭の関係は目頭切開で鼻は高く見える?にまとめました。
鏡で見当をつけるなら「涙丘」を見てください
「自分で見分けられますか」という質問もよく受けます。一つの目安は、涙丘(目頭の内側にある、ピンク色の部分)がどれだけ見えているかです。鏡で涙丘がしっかり見えている方は、平行二重にできる可能性が高いです。逆に、蒙古ヒダが涙丘にかぶさって隠している方は、ヒダが強いということです。
また、いま自然な状態で平行二重の方は、手術でも平行二重にできることが多いです。
最終判断は、ブジーのシミュレーションでしかできません
ただし、鏡での目安はあくまで目安です。平行二重にできるかどうかは、ブジーという細い棒をまぶたに当てて二重のラインをつくってみるシミュレーションでしか、決めることができません。写真やネットの情報だけで「あなたは平行二重にできます」「できません」とは、私は言えません。
このシミュレーションで私が見ているのは、「どのラインで二重をつくるのが一番綺麗か」です。目を開けていただいたときに、ブジーを少し緩めたり、目頭側の力を弱くしても、綺麗にラインが入るかどうか。そこを見ています。目頭側を強く押さえないとラインが入らないなら、その方の目元はまだ平行二重に向いていないということです。
目頭切開が「助け」になる仕組み
蒙古ヒダが強く張っている方は、その引っ張りのせいで二重のラインが目頭側で引き込まれ、末広二重になっています。目頭切開で蒙古ヒダを解除すると、この引っ張りがなくなるので、二重のラインが目頭側まできれいに出るようになります。これが「助け」の正体です。
逆に言えば、蒙古ヒダの引っ張りが原因ではない末広二重は、目頭切開をしても平行にはなりません。だから「目頭切開をすれば平行になる」とは言えないのです。
寄せない目頭切開でも、二重のつながりは変わります
私は、目頭を寄せずに蒙古ヒダだけを処理する設計(寄せ幅0mm)もしています(目頭切開はやめたほうがいい?)。「寄せないなら二重は変わらないのでは」と思うかもしれませんが、違います。
0mmというのは、皮膚と皮膚を寄せる距離が0mmという意味です。切開線そのものは10mm近くあります。蒙古ヒダの解除はきちんと行うので、寄せなくても、二重の目頭側のつながり方は変わります。
なる人・MIXまでの人・しないほうがいい人
ここで、大事な話を一つ書きます。技術的な話だけをすれば、平行二重の形をつくること自体は、誰にでもできます。ただ、つくった平行二重が美しいかどうかは、全く別の問題です。
平行二重にせずに、ある程度の二重幅の末広二重やMIX二重にしたほうが、目元や顔全体のバランスとして綺麗に見える方は、かなり多いです。ここは、美容外科医の審美眼がかなり重要になってきます。
私の感覚では、目頭切開を希望して来られる方のうち、
- 平行二重が似合う方:2割
- MIX二重までが綺麗な方:6割
- 平行にしないほうが美しい方:2割
くらいです。「平行二重にできます」と言う医師が、技術の高い医師だというわけではありません(目頭切開の術式と傷跡の違いのFAQにも書きました)。「できる」と「美しい」は違います。
平行二重が似合わない顔:下顔面が長い方、求心的な方
似合うかどうかは、蒙古ヒダの強さ・目の横幅・眉と目の距離・顔全体のバランスを擦り合わせて決めます(二重埋没法の記事に書いたとおりです)。そのうえで、平行二重が似合いにくいタイプを2つ挙げます。
- 下顔面(鼻の下から顎まで)が長いタイプ:平行二重にすると、顔がさらに長く見えます
- もともと求心感がある方(目や鼻が顔の中心に寄って見える方):末広二重には目を外側に広げて見せる「遠心効果」がありますが、平行二重にするとその効果が出ません
無理に平行二重にすると「ハム目」になります
平行にしないほうがいい方を、ご希望どおり無理に平行二重にすると、どうなるか。
目を開ける方向(ベクトル)と、二重のラインの方向が合わなくなるので、目の開きが悪くなります。いわゆる「ハム目」の状態です。二重の食い込みが強すぎて、まぶたがハムのように盛り上がって見える目元です。整形感が出てしまうので、私はあまりお勧めしていません。
だから私は、ご本人のなりたい目元を尊重したうえで、「平行にすると目の開きが悪くなります」とお伝えすることがあります。そのうえで、MIX二重や末広二重を提案します。
目頭切開をせずに、埋没だけで平行二重にする設計について
「目頭切開はしたくない。埋没の目頭側を食い込ませて、平行にできませんか」という相談もあります。目頭切開をせずに平行二重にできるなら、それでもいいと私は思います。
ただ、目頭側だけを食い込ませて平行にするデザインは、あまり美しくないことが多いです。皆さんの目的は「平行二重にすること」ではなく、「綺麗になること」のはずです。審美的に見て違和感があるデザインは、私はあまりお勧めしたくありません。
「切るか、切らないか」の二択で考える必要はありません。私は、0.5mmという本当に繊細な寄せ幅の目頭切開もしています。寄せずに蒙古ヒダだけを処理する設計もあります。どこまで処理すれば一番綺麗になるかを、シミュレーションで決めます。
埋没との順番:同時が基本です
「目頭切開と二重、どちらが先ですか」という質問は、クリニックによって説明が違います。私の進め方を、状況別に書きます。
まだ何もしていない方
「先に埋没だけ受けて、様子を見たほうがいいですか」と聞かれます。埋没だけで様子を見るべきタイプかどうかは、シミュレーション次第です。ただ、ほとんどの方は、目頭切開を同時にしたほうが綺麗になります。実際に私のところでは、8割ほどの方が目頭切開とあわせて二重の調整を同時に受けています。
「切るのは怖いから、まず埋没だけ」という気持ちは分かります。ただ、リドレープ法の傷は目頭の内側に収まり、傷跡がすごく残るわけでもありません。上手な医師がリドレープ法で行うのであれば、そんなに慎重になる必要はないと私は考えています。
すでに埋没で末広二重になっている方
「今の埋没に目頭切開を足せば、平行になりますか」とも聞かれます。二重のラインは、平行までは変わらない可能性が高いです。元の蒙古ヒダに合わせて二重のラインをつくってあることがほとんどだからです。ヒダを解除しても、ラインの設計がそのままなら、平行にはなりません。
この場合、二重埋没をやり直したほうが、より美しい目元になる方もいらっしゃいます。あとで紹介する症例の1人目も、他院の埋没の糸を抜いたうえで、目頭切開と同時に自然癒着法でラインをつくり直しています。
目頭切開だけ先に受けた方
あとから埋没法を足せば大丈夫です。お勧めは、目頭切開から3か月以降です。1か月の段階では、目頭がまだ硬くて皮膚のなじみが悪いからです。
平行二重のために全切開を勧めることはありません
「まぶたが厚い方や蒙古ヒダが強い方は、埋没より全切開のほうが平行二重をつくりやすい」という説明も見かけます。確かに、埋没では平行のラインが保てないケースはあります。
ただ、全切開でないとつくれない平行二重は、相当な違和感が出ます。だから私は、全切開を代替案として出すことはあっても、強く勧めることはありません。結局のところ、埋没が一番整形感がなく、綺麗に見えます。
症例:平行二重になった方と、MIXで仕上げた方
私の症例から2件を紹介します。どちらも、目頭切開リドレープ法と自然癒着法を同時に受けられた20代女性です(掲載の同意を得ています)。
平行二重になった方(術後3か月)
他院で入っていた埋没の糸を抜いたうえで、目頭切開と同時に自然癒着法でラインをつくり直しました。術前は蒙古ヒダが涙丘にかぶさっていましたが、術後は二重のラインが目頭側までつながり、平行二重になっています。


この方の施術内容と費用は、症例ページにまとめています。
MIX二重で仕上げた方(術後1か月)
蒙古ヒダが目頭にかぶさっていたため、リドレープ法で解除し、あわせて自然癒着法で二重のラインをつくりました。この方は、平行ではなくMIX二重で仕上げています。


術前から1か月まで、ほぼ1日刻みの経過写真を症例ページに載せています。
どちらが「上」ということはありません。その方の目元に合う形を選んだ結果が、平行とMIXの違いです。
リスク・副作用
目頭切開リドレープ法と二重埋没法(自然癒着法)を同時に受ける場合の、主なリスク・副作用です。
- 腫れ・内出血(約1週間)
- 傷跡の赤み(約1か月。リドレープ法は傷が目頭の内側にあるため見えにくい)
- 左右差
- 感染
- 後戻りが生じる可能性
- 目のゴロゴロ感
- 二重のラインが薄くなる・消失する可能性
- 糸の露出やしこり
術後1か月は、メガネ・サングラスの使用を控えていただきます。フレームが傷のすぐ近くに当たり、傷を汚くする一番大きな原因になるためです。術後の過ごし方は目頭切開のダウンタイムの過ごし方にまとめました。
費用
| メニュー | 通常価格 | モニター価格 |
|---|---|---|
| 目頭切開 リドレープ法 | 385,000円 | 231,000円 |
| 目頭切開 Z法 | 275,000円 | 165,000円 |
| 二重埋没法 自然癒着法 | 272,800円 | 163,680円 |
| 全切開二重術 | 440,000円 | 264,000円 |
麻酔代は別途(笑気22,000円/静脈55,000円・税込)。片目のみは通常・モニター価格の60%です。目頭切開の費用の考え方は目頭切開の費用はいくら?に書きました。
よくある質問
Q. 目頭切開だけで平行二重になりますか
なりません。目頭切開は蒙古ヒダを処理する手術で、二重のラインをつくる手術ではないからです。埋没法などで二重のラインをつくることとセットで、はじめて平行二重の話になります。
Q. 蒙古ヒダがあると、平行二重はできませんか
蒙古ヒダの強さが一番の決め手です。強く張っている方は、平行にすると不自然になりやすく、MIX二重までのほうが綺麗なことが多いです。最終的にはブジーのシミュレーションで決めます。
Q. 自分で見分ける方法はありますか
鏡で涙丘(目頭の内側のピンク色の部分)がしっかり見えている方は、平行二重にできる可能性が高いです。ただし目安であって、判断はシミュレーションでしかできません。
Q. 寄せない目頭切開でも、二重の形は変わりますか
変わります。寄せ幅0mmでも切開線は10mm近くあり、蒙古ヒダの解除は行うからです。
Q. 平行二重が似合わない顔はありますか
あります。下顔面が長いタイプは顔がさらに長く見え、もともと求心感がある方は末広二重のような遠心効果が出ません。私の感覚では、平行が似合う方は2割で、MIXまでが綺麗な方が6割、平行にしないほうが美しい方が2割です。
Q. 無理に平行二重にするとどうなりますか
目を開ける方向と二重のラインの方向が合わず、目の開きが悪くなります。いわゆるハム目で、整形感が出ます。
Q. 目頭切開と埋没は、どちらが先ですか
ほとんどの方は、同時にしたほうが綺麗になります。私のところでは8割ほどが同時です。先に埋没だけで様子を見るべきかは、シミュレーションで判断します。
Q. すでに埋没をしています。目頭切開を足せば平行になりますか
平行までは変わらない可能性が高いです。元の蒙古ヒダに合わせてラインをつくってあるためです。埋没をやり直したほうが美しくなる方もいます。
Q. 目頭切開だけ先に受けました。あとから平行二重にできますか
あとから埋没法を足せば大丈夫です。お勧めは目頭切開から3か月以降です。1か月ではまだ硬く、皮膚のなじみが悪いためです。
Q. 目頭切開をせずに、埋没だけで平行二重にできますか
できるなら、それでもいいと思います。ただ、目頭側だけを食い込ませて平行にするデザインは、あまり美しくないことが多いです。目的は平行二重にすることではなく、綺麗になることのはずです。
Q. 平行二重にするには、全切開が必要ですか
全切開でないとつくれない平行二重は、相当な違和感が出ます。代替案として出すことはありますが、強くは勧めません。埋没が一番整形感がなく綺麗です。
Q. 出目・奥目は関係ありますか
関係します。出目の方は骨格的に平行二重になりやすく、奥目の方でも鼻が高ければ平行二重になりやすいです。
Q. まぶたが厚くても平行二重にできますか
まぶたに厚みがある方は、普通は末広二重になります。無理やり平行二重にすると、違和感がとても強くなります。