「目頭切開 後戻り」——この記事にたどり着いた方の多くは、受けたあとに「戻った気がする」と不安になっているか、受ける前に「戻るなら意味がないのでは」と迷っている方だと思います。

先に結論を書きます。私がリドレープ法で行った目頭切開は、完成の時点ではほとんど戻りません。眼輪筋と、目頭の内側にある内側縁靱帯を、きちんと切っているからです。

そして、ネットに「後戻りした」と書き込まれているものの正体は、ほとんどが術後1か月ごろの「拘縮」です。本当の後戻りとは別のものです。この記事では、その見分け方から、本当に戻る手術の特徴、戻ってしまったときの切り直しまで書きます。

私はリドレープ法を中心に、年間700件以上の目頭切開を行っています。

先に結論:完成の時点では、ほとんど戻りません

目頭切開は、皮膚を切って形を変える手術です。だから、自然に元どおりになることは基本的にありません。これは他院の記事にも書いてあるとおりです。

私が付け加えたいのは、「ほとんど戻らない」の理由です。目頭の皮膚は、内側にある靱帯(内側縁靱帯)と眼輪筋に引っ張られています。ここをきちんと切って処理しておけば、皮膚を引き戻す力そのものが残りません。だから戻らないのです。

逆に言えば、この処理が足りない手術は戻ります。ダウンタイムの記事に「靱帯を剥離しなければダウンタイムは短くできるが、私はやらない」と書いたのは、仕上がりのためであると同時に、後戻りを防ぐためでもあります(目頭切開のダウンタイムは何日?)。

「後戻りした」と感じる正体は、1か月後の拘縮です

「戻った気がする」と相談に来られる方は、他院で受けた方も含めて、ほとんどが術後1か月ごろです。そして、ほとんどの方は本当に戻ったのではなく、拘縮(こうしゅく)という、傷が治る過程で起こる反応を見て、そう感じています。

なぜそう感じるのか。目頭切開の経過を、私の言葉で順に書きます。

時期 目頭の見た目
直後 糸に引っ張られている影響で、実際よりも寄りすぎたように見えます
2日後 腫れのピークです
4日後 ピークの腫れが少し落ち着いてきます
1週間後 傷はかなり目立ちにくくなります。抜糸すると、一気にダウンタイムが減ったように感じます。傷はパッと見では分からないことがほとんどです
2週間後 抜糸の翌日ごろからこの時期にかけて、赤みがかなり引いてきます
1か月後 拘縮によって、目頭がかなり丸く見える時期です。個人的には、この時期が一番傷が汚く見えます
2か月後 拘縮が少し取れてきて、赤みもさらに落ち着きます
3か月後 ほぼ完成です

ここが大事なところです。直後は糸に引っ張られて「寄りすぎ」に見えます。1か月後は拘縮で「丸く」見えます。直後と1か月後を見比べれば、誰でも「戻った」と感じます。でもそれは、寄りすぎに見えていた直後が落ち着いただけで、後戻りではありません。

正直に書くと、1か月後は患者さんの満足度が一番低い時期です。「ダウンタイムはもう終わったはず」と思っているのに、目頭は一番丸く、傷は一番汚く見えるからです。ここで判断しないでください。2か月でだいぶ落ち着き、3か月でほぼ完成します。

「ダウンタイム4日」と「完成3か月」は別の話です

私が「ダウンタイム」と呼んでいるのは、日常生活で見た目が気になりやすい最初の4日間のことです。ただし、傷が治って形がなじみ、完成するまでには約3か月かかります。4日というのは完成までの日数ではありません。

この2つを混ぜると、「4日で終わると聞いたのに1か月たっても丸い。戻ったのでは」という不安になります。4日はダウンタイム、3か月が完成です。

本当に後戻りが起こるのは、どんな手術か

「戻った」と相談に来られた方の中に、本当に戻っていた方もいます。原因は、だいたい次のどれかです。

つまり、後戻りは「体質」や「術後の過ごし方」ではなく、手術の中身で決まります。術式の名前よりも、靱帯と眼輪筋をどう処理しているかを聞いてください(目頭切開の名医はどう見分ける?)。

リドレープ法については目頭切開のリドレープ法とは?に書きました。皮膚を張り直して固定する術式で、無理なテンションをかけないため、Z法と比べても後戻りは起きにくいと考えています。

「戻る分を見込んで、多めに切る」はしません

「後戻りするなら、理想より少し多めに切ってもらったほうがいいですか」という質問を見かけます。

私の答えは、多めに切ってはいけないです。完成の時点でほとんど戻らない以上、多めに切った分はそのまま「寄せすぎ」として残ります。寄せすぎた目頭を戻すには、蒙古ヒダ形成という別の手術が必要になります(切りすぎた目頭を戻す「蒙古ヒダ形成」)。

設計どおりに切って、設計どおりに仕上げる。戻りを見込む必要がない手術をすることが、私の仕事だと考えています。

患者さんの努力で、後戻りは変わりません

「目をこする癖があると戻りますか」「どう過ごせば後戻りしませんか」と聞かれます。

正直に書きます。患者さんが努力して後戻りが変わることは、全くありません。後戻りは手術で決まります。

ただし、傷をきれいに治すことと、後戻りを防ぐことは、とても近い話です。だから「傷がきれいに治る=後戻りを防ぐ」と考えて、術後の過ごし方を守ってください。メガネをかけない、6つを我慢する、お渡しした軟膏だけを塗る、鏡で傷を確認しない。この4つです(目頭切開のダウンタイムの過ごし方)。

本当に戻ってしまったら:切り直しはできます

私のところで受けた方

切り直しは、3か月後からできます。どうしてもという場合は、1か月後から相談に乗ります。1年以内であれば無料です。

ただし、切り直すかどうかは医師の判断です。「これ以上やると寄せすぎになる」ということが多々あるからです。寄せた分は戻せません。だから、ご本人のイメージとじっくり相談したうえで決めます。

実際に私が切り直しをした例は、後戻りというより、切る角度がその方の目に合っていなかったことが理由でした。戻ったかどうかより、「今の形がその方に合っているか」で判断しています。

他院で受けた方

他院で受けて本当に戻ってしまった方の切り直しも、できます。ただし、切り直しはリドレープ法一択です。

理由は、1回目にZ切開をしている場合、2回目もZ切開をすると、傷跡がかなり変なところにできるうえ、治りが非常に悪いからです。ただでさえ傷ができやすいZ切開なので、重ねて切るのは勧めません。

費用は、リドレープ法の料金に、難易度に応じた他院修正の料金を上乗せします。難易度は、カウンセリングで判断します。目安は手術時間で、通常より30分までの延長なら軽度、60分までなら中等度、それ以上なら高度です。手術時間はだいたい予想できるので、カウンセリングでお伝えします。

逆に、「戻してほしい」方へ

「後戻りしてほしい」「寄りすぎたから戻したい」という検索も多いです。目頭切開は自然には戻りませんが、戻す手術はあります。蒙古ヒダ形成です。

逆Z法なら、戻す幅を0.5〜3.0mmの範囲で選べます。蒙古ヒダ形成そのものは、ほとんど後戻りしません。詳しくは蒙古ヒダ形成の記事に書きました。

費用

メニュー 通常価格 モニター価格
目頭切開 リドレープ法 385,000円 231,000円
目頭切開 Z法 275,000円 165,000円
蒙古ヒダ形成 330,000円 198,000円
他院修正の上乗せ(軽度/中等度/高度) 66,000円/132,000円/198,000円

麻酔代は別途(笑気22,000円/静脈55,000円・税込)。片目のみは通常・モニター価格の60%です。私のところで受けた方の切り直しは、1年以内は無料です(医師の判断による)。

よくある質問

Q. 目頭切開は後戻りしますか

私がリドレープ法で行った場合、完成(3か月)の時点ではほとんど戻りません。眼輪筋と内側縁靱帯をきちんと切っているからです。

Q. 術後1か月で、戻った気がします

ほとんどの場合、それは拘縮です。1か月後は目頭が一番丸く見え、傷も一番汚く見える時期です。2か月で落ち着き、3か月でほぼ完成します。ここで判断しないでください。

Q. 目頭切開の効果は永久的ですか

自然に元に戻ることは基本的にありません。切った皮膚と、処理した靱帯は戻らないからです。

Q. 後戻りしにくい術式はありますか

術式の名前より、靱帯と眼輪筋をきちんと処理しているかで決まります。皮膚だけを切って縫う三日月法は、後戻りが一番大きい術式です。

Q. 戻る分を見込んで、多めに切ってもらったほうがいいですか

いいえ。多めに切った分は寄せすぎとして残ります。設計どおりに切ります。

Q. 目をこする癖があると後戻りしますか

後戻りには関係ありません。後戻りは手術で決まります。ただし傷をきれいに治すために、目元をこすらないようにしてください。

Q. 本当に戻ってしまったら、切り直しはできますか

できます。私のところで受けた方は3か月後から、1年以内は無料です(医師の判断による)。他院で受けた方も、リドレープ法で切り直せます。

Q. 切り直しはいつからできますか

3か月後からです。どうしてもという場合は、1か月後から相談に乗ります。

Q. 寄りすぎたので、戻してほしいです

蒙古ヒダ形成という手術で戻せます。逆Z法なら、戻す幅を0.5〜3.0mmの範囲で選べます。

Q. 少しだけ寄せた場合も後戻りしますか

しません。寄せる量が少なくても、靱帯と眼輪筋の処理は同じです。