「リドレープ法 デメリット」——この記事にたどり着いた方の多くが、この言葉で検索していると思います。

先に結論を書きます。私は、リドレープ法が劣っている点は金銭面だけだと考えています。

ネット上には「リドレープ法は目頭が丸くなる」「変化が控えめ」「蒙古ヒダが強い人には向かない」と書かれています。そのほとんどは、術式そのものの限界ではありません。この記事で、ひとつずつ答えます。

私はリドレープ法を中心に、年間700件以上の目頭切開を行っています。

リドレープ法とは

蒙古ヒダの内側の皮膚を剥がし、張り直して(redrape)目頭を開く術式です。

2007年に韓国から報告された比較的新しい方法で、英語では「skin redraping method」といいます。Z法(1996年)より11年新しい術式です。

最大の特徴は、傷の位置です。切開が上まぶたのラインと睫毛の下側に収まるため、傷が目頭の内側に隠れます。正面から見て目立つ場所に、傷を作りません。

もうひとつの特徴は、寄せる量を選べることです。Z法では蒙古ヒダの最下点から内眼角までの距離の分だけ必ず寄りますが、リドレープ法では0.5mm〜2.0mmの範囲で、その方に合わせて決められます。(詳しくは目頭切開の術式と傷跡の違いへ)

「デメリット」と書かれていることへの回答

解説記事でよく挙げられている5つに、順番に答えます。

①「目頭の先端が丸くなりやすい」

術式のせいではありません。

目頭が丸くなるかどうかは、縫合の仕方、傷跡の作り方、内部の処理の仕方でかなり変わります。同じリドレープ法でも、術者によって結果が変わる部分です。

「リドレープ法は丸くなる」と説明されているのを見かけますが、私の経験では、それは術式の性質ではなく、処理の結果です。

②「ドッグイア(皮膚の余り)が生じる」

完全に医師の技術次第で、ほとんどなくせます。

私はこれまで、患者さんからドッグイアを指摘されたことがありません。皮膚の余りをどう処理するかは、術式の限界ではなく手技の問題です。

③「蒙古ヒダが強いと変化が不十分」

これは誤解です。

蒙古ヒダが強い方に対して変化を抑えることはありますが、それは内側の靭帯の処理と、顔全体とのバランスを見たうえで「これ以上は切らないほうがいい」と判断しているからです。リドレープ法だから変化が出せない、ということではありません。

目頭だけを見て最大限に開けば、顔全体では不自然になります。抑えているのは、技術の限界ではなく判断です。

④「平行二重が得られにくい」

リドレープ法かどうかには、まったく依存しません。

平行二重になるかどうかは、元の目元次第です。もともとの二重幅、蒙古ヒダの強さ、まぶたの厚みで決まります。術式を変えれば平行二重になる、という話ではありません。

そもそも目頭切開だけで平行二重になる方はいません。ここは目頭切開の記事にも書きました。

平行二重になる人・MIXまでの人・ならない人の分け方は、目頭切開で平行二重になる?にまとめました。

⑤「変化が控えめ」

切る量と角度次第です。

控えめにも、しっかりにも設計できます。「リドレープ法だから変化が小さい」ということはありません。

変化量は、4つで決まります

では何で決まるのか。私が手術中に見ているのは、この4つです。

見ているもの
涙丘の向き どの方向に開くかを決めます
蒙古ヒダの張りの方向 どこにテンションがかかっているか
縫合の向き 仕上がりの形と、傷の落ち着き方が変わります
取る深さ 変化量と、目頭の丸みに影響します

この4つの組み合わせで、仕上がりが決まります。

正直に書きますが、ここは経験がないと肌感覚がまったく分かりません。教科書に「何mm、何度」と書いてあっても、目の前の目頭に対してどう当てはめるかは、数をこなさないと掴めない部分です。同じ術式でも医師によって結果が変わるのは、ここが理由です。

リドレープ法が向かない人はいるか

いません。

私はこれまで、さまざまなタイプの蒙古ヒダを診てきました。そのうえで言えるのは、適応の幅はリドレープ法のほうが圧倒的に大きいということです。

リドレープ法が劣っているのは、金銭面だけです。Z法より費用は高くなります(費用の記事に書きました)。

強いて挙げるなら、ひとつだけあります。Z切開の失敗例としてよく言われるような、強く突っ張って涙丘がむき出しになった目頭——あの形をあえて作りたいのであれば、Z切開のほうが向いています。そういう希望の方は、まずいませんが。

実際の症例

症例1:目頭切開リドレープ法+二重埋没法(自然癒着法)|20代女性・術後3か月

他院で入っていた埋没の糸を抜いたうえで、リドレープ法と自然癒着法を行いました。

目頭切開リドレープ法の術前。20代女性の正面写真
術前
目頭切開リドレープ法の術後3か月の正面写真
術後3か月
術前の目頭のクローズアップ
術前(目頭のクローズアップ)
術後3か月の目頭のクローズアップ。傷は目頭の内側に隠れている
術後3か月(目頭のクローズアップ)

この症例について

施術 目頭切開リドレープ法/二重埋没法(自然癒着法)/他院埋没法の抜糸
費用 この方の実際のお支払いは合計142,000円(当時のキャンペーン価格)。同じ内容を現在の価格で受けた場合は、通常価格745,800円/モニター価格482,680円(すべて税込)
治療期間・回数 1回。腫れ・内出血は約1週間。抜糸は術後1週間目。完成は術後3か月
主なリスク・副作用 腫れ・内出血(約1週間)/傷跡の赤み(約1か月)/左右差/感染/後戻りが生じる可能性/目のゴロゴロ感/二重のラインが薄くなる・消失する可能性/糸の露出やしこり
担当医 丸山 舜大

効果や経過には個人差があります。20代女性、掲載の同意を得ています。

この症例だけをまとめたページはこちらです。

症例2:同じ組み合わせで、術前から術後1か月までの経過

この方は、術後1日目から6日目まで1日刻みで記録が残っています。ダウンタイムがどう推移するかは目頭切開のダウンタイムに全部載せました。

目頭切開リドレープ法の術前。20代女性の正面写真
術前
目頭切開リドレープ法の術後1か月の正面写真
術後1か月
術前の右目。蒙古ヒダが目頭にかぶさっている状態
術前(右目)
術後1週間、抜糸後の右目のクローズアップ
術後7日目(抜糸後・右目)

この症例について

施術 目頭切開リドレープ法/二重埋没法(自然癒着法)
費用 この方の実際のお支払いは合計122,000円(当時のキャンペーン価格)。同じ内容を現在の価格で受けた場合は、通常価格679,800円/モニター価格416,680円(すべて税込)
治療期間・回数 1回。腫れ・内出血は約1週間(ピークは1〜2日目)。抜糸は術後1週間目。完成は術後3か月
主なリスク・副作用 腫れ・内出血(約1週間)/傷跡の赤み(約1か月)/左右差/感染/後戻りが生じる可能性/目のゴロゴロ感/二重のラインが薄くなる・消失する可能性/糸の露出やしこり
担当医 丸山 舜大

効果や経過には個人差があります。20代女性、掲載の同意を得ています。

この症例だけをまとめたページはこちらです。

ダウンタイム

目安
腫れ・内出血 1週間ほど(腫れのピークは1〜2日)
抜糸 術後1週間目
仕事復帰 デスクワークなら2〜3日
傷の赤み 1か月ほど。ただし傷が内側にあるため、赤くても見えません
完成 3か月

「完成の評価は12か月以降」と書かれている記事がありますが、私はそう考えていません。リドレープ法を数多く行っていれば、3か月で目頭の形が安定することは分かります。この差は、経験の差だと思っています。

詳しい日ごとの経過と生活制限は目頭切開のダウンタイムに書きました。

術後に気をつけていただくこと

傷をきれいに治すために、守ってほしいことをまとめます。

生活の制限

再開の目安
洗顔 翌日から
コンタクトレンズ 当日から(1Dayを毎日新しいものに)
メイク(目元以外) 当日から
メイク(目元) 抜糸の翌日から
入浴・運動・飲酒 1週間後から
メガネ・サングラス 1か月後から

メガネとサングラスは、1か月使わないでください

これは強くお願いしています。メガネやサングラスは、傷を汚くする一番大きな原因です。フレームが傷のすぐ近くに当たり、圧迫と摩擦が続きます。

「目元を隠すためにメガネを」と書いてある記事がありますが、私は反対です。隠したいなら前髪か、目元に触れない帽子にしてください。そもそもリドレープ法なら、2〜3日で人に気づかれないところまで落ち着きます。

治りを遅らせる6つ

私が診ていて、ダウンタイムが長引く方に共通しているのはこれです。

理由はどれも同じで、血流が上がると腫れと内出血が強く出るからです。早く治したいなら、この6つを我慢すること。そして、当日から3日間は氷でしっかり冷やすこと(4日目ごろからは温めます)。この2つが同じくらい大事です。

目元を触らない

軟膏を塗るとき以外は、鏡でお顔の確認をすることはご遠慮ください。鏡で見ようとすると傷が引っ張られ、傷跡が汚くなってしまいます。

術後1か月は、目元を強くこすったり、引っ張ったりしないでください。目頭はもともと、まぶたを開け閉めするたびに引っ張られる場所です。そこに外から力を加えると、傷が広がります。

お渡しした軟膏以外を塗らないでください

当院では、目に入っても問題のない眼軟膏を処方しています。

市販の傷薬や、家にある軟膏を目元に塗らないでください。目に入る前提で作られていない軟膏が目に入ると、失明することがあります。「傷にいいと聞いたから」で自己判断せず、何か塗りたいときは必ず先に連絡してください。

この症状が出たら、すぐ連絡してください

感染が疑われる症状です。早めに処置をすれば大きな問題になりません。我慢して様子を見るのが一番よくありません。

後戻りはしますか

傷が治る過程で、多少の後戻りが起こることはあります。ただしZ法と比べれば、リドレープ法のほうが後戻りは起きにくいと考えています。皮膚を張り直して固定する術式で、無理なテンションをかけないためです。

1か月後に「戻った」と感じる正体は拘縮です。本当に戻る手術の特徴と切り直しについては、目頭切開は後戻りする?に書きました。

費用

メニュー 通常価格 モニター価格
目頭切開 リドレープ法 385,000円 231,000円
目頭切開 Z法 275,000円 165,000円
目頭切開 Z法(キャンペーン) 50,000円 —

麻酔代は別途(笑気22,000円/静脈55,000円・税込)。それ以外の追加費用はかかりません。片目のみは通常・モニター価格の60%です。

リドレープ法の相場は30万〜40万円です。よく言われる「目頭切開の相場15〜25万円」は、ほぼZ法の相場です。詳しくは費用の記事へ。

よくある質問

Q. リドレープ法のデメリットは何ですか

費用がZ法より高いことです。「丸くなる」「変化が控えめ」「ドッグイアが出る」と書かれることがありますが、これらは術式の性質ではなく、術者の処理によって変わる部分です。

Q. リドレープ法は目頭が丸くなりますか

縫合の仕方、傷跡の作り方、内部処理で変わります。術式そのものが丸くなる、ということではありません。

Q. ドッグイアはできませんか

技術次第でほとんどなくせます。私は患者さんから指摘されたことがありません。

Q. 蒙古ヒダが強いのですが、リドレープ法で足りますか

足ります。変化を抑える場合は、靭帯の処理と顔全体のバランスを見て判断しているだけで、術式の限界ではありません。

Q. リドレープ法なら平行二重になれますか

術式には依存しません。元の目元次第です。目頭切開だけで平行二重になる方はいません。詳しくは目頭切開で平行二重になる?へ。

Q. 完成までどのくらいかかりますか

3か月です。腫れ・内出血は1週間ほどで落ち着き、仕事復帰はデスクワークなら2〜3日が目安です。

Q. 術後に一番気をつけることは何ですか

メガネとサングラスを1か月使わないことです。傷を汚くする最大の原因です。あわせて、お酒・タバコ・サウナ・運動・長風呂・うつぶせ寝を避けてください。

Q. 市販の傷薬を塗ってもいいですか

やめてください。目に入る前提で作られていない軟膏が目に入ると、失明することがあります。お渡しした眼軟膏だけを使ってください。

Q. 傷跡は目立ちますか

傷は目頭の内側に隠れます。赤みは1か月ほど残りますが、位置が内側なので見えません。

Q. Z法とどちらがいいですか

適応の幅はリドレープ法のほうが圧倒的に大きいと考えています。Z法が向くのは、寄せたい量とZ法の寄せ幅がたまたま一致する場合です。

Q. 費用はいくらですか

385,000円(モニター231,000円・税込)です。片目は60%。麻酔代以外の追加費用はかかりません。